足底腱膜炎とは
足底腱膜炎は、かかとから足の指の付け根にかけて広がる「足底腱膜(足底筋膜)」に繰り返し負荷がかかることで生じる障害です。
足底腱膜は、足のアーチを支え、歩行やランニング時の衝撃を吸収する重要な組織です。この組織に過度な負担がかかることで、かかとの痛みが生じます。
中高年の方だけでなく、ランナーやスポーツ選手にも多くみられる疾患です。
主な症状

白丸印の部位を押すと痛みます
足底腱膜炎では以下のような症状がみられます。
- 朝起きて最初の一歩でかかとが痛い
- 長時間座った後の歩き始めが痛い
- 長時間の立ち仕事で痛みが強くなる
- ランニングや運動後に痛みが出る
- かかとの内側を押すと痛い(※図1)
原因
足底腱膜炎は、足底腱膜への繰り返しの負荷によって発症します。
スポーツによる負荷:走る・跳ぶ動作を繰り返すスポーツで発症しやすくなります。
足の形や身体的特徴:扁平足、ハイアーチ(凹足)、アキレス腱の硬さ、ふくらはぎの筋肉の柔軟性低下、肥満などが原因として考えられています。
診断
診察では、痛みの部位や足の形、アキレス腱の柔軟性などを評価します。
画像検査として、レントゲン検査、超音波検査(エコー)、MRI検査を行うことがあります。
超音波検査では足底腱膜の肥厚や変性を観察することができ、診断に有用です。
また、疲労骨折(踵骨疲労骨折)や神経障害(外側足底神経第1枝[Baxter神経]の障害)など、他の疾患との鑑別も重要です。

治療
保存療法
足底腱膜炎の多くは保存療法で改善します。
特にアキレス腱やふくらはぎのストレッチは重要な治療のひとつです。
足底腱膜のストレッチ方法

手で足先を持って、足首と足指の両方を上に反らした状態で維持します。

階段で足指を反らした状態で、膝を曲げながら前に出します
超音波ガイド下注射
保存療法で改善しない場合には
などを検討することがあります。超音波を用いることで、痛みの原因となっている部位を確認しながら正確に治療を行うことができます。
手術療法
保存療法で良くならない場合には、手術治療が検討されます。
手術では、内視鏡を用いて足底腱膜を切って緊張を緩める手術やふくらはぎにある筋肉の腱を切って緊張を緩める方法などがあります。
参考:今日の臨床サポート 足底腱膜炎 | 症状、診断・治療方針まで
解説:松井 智裕センター長
監修:酒井昭典 産業医科大学 整形外科学講座/span>
