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腓骨筋腱脱臼

症状

  • スポーツ中や足首をひねった後に、外くるぶしの後ろに強い痛みが出た
  • 外くるぶしの後ろで「パチッ」「コリッ」と何かがずれる感じがする
  • 足首を動かすと腱が飛び出すような感覚がある
  • ダッシュや切り返し動作で痛みや不安定感が出る
  • 足関節捻挫と診断されたが、なかなか症状が改善しない

腓骨筋腱脱臼は、足首の外側にある腓骨筋腱が本来通るべき溝から外れてしまう外傷です。

初回脱臼時に腓骨筋支帯(腱が脱臼しないように抑える膜状組織)が骨から剥がれてしまうため、その後は反復して脱臼が生じやすくなります。

当院ではエコー(超音波)を用いて、腓骨筋腱の脱臼の有無や腱損傷の合併をリアルタイムで評価し、治療方針を決定します。

診断

診察では、足首を動かしながら腱が脱臼するかを確認します。
また、エコー(超音波)検査で腓骨筋腱の動きをリアルタイムで観察します。

治療

保存治療

初回受傷で脱臼が整復されている場合には、手術を行わず保存治療を選択することがあります。

ギプスや装具で足首を固定し、損傷した上腓骨筋支帯が治癒する環境を整えます。その後、痛みや不安定感の改善に応じてリハビリテーションを開始し、足関節周囲の筋力やバランス能力の回復を図ります。

しかし、スポーツ選手や活動性の高い方では再脱臼を起こすことも少なくありません。

手術治療

スポーツなど活動性の高い方、脱臼を繰り返す方、保存治療で改善しない方には手術治療をおすすめします。

上腓骨筋支帯修復術

骨から剥がれた腓骨筋支帯を骨に固定することで腓骨筋腱が脱臼しないようにする手術です。当院では、縫合テープとアンカーを用いた腓骨筋支帯修復術を行っています。

当院は、本術式の治療成績を初めてまとまった症例数で検討し、国際学術誌に報告しており、スポーツ選手を含む症例において良好な術後成績と競技復帰が得られることを報告しています。

Matsui T, et al.
A false-pouch closure technique with an intact superior peroneal retinaculum for recurrent dislocation of the peroneal tendon.
Journal of ISAKOS, 2021.

腓骨筋腱溝形成術

外くるぶしの後ろにある腱の通り道(腓骨筋腱溝)が浅い場合には、その溝を深くすることで腱が安定して走行できるようにします。

患者さんの病態に応じて、支帯修復術と腱溝形成術を組み合わせて行います。

術後経過

術後は一定期間の固定を行った後、段階的にリハビリテーションを開始します。
一般的には術後2週で歩行を開始し、6週頃から軽いランニング、3か月でスポーツ復帰を目指します。復帰時期は損傷の程度や競技によって異なります。

当院の特徴

腓骨筋腱脱臼は足関節捻挫として見逃されることが少なくありません。
当院では足・足関節を専門とする整形外科医が診察を行い、超音波検査を用いて動的評価を行うことで正確な診断に努めています。

「捻挫後から外くるぶしの後ろが痛い」「足首で何かがずれる感じがする」という方は、お気軽にご相談ください。

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スポーツ医学・足の外科センター

解説:松井 智裕センター長

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