足関節後方インピンジメント症候群とは?
足関節後方インピンジメント症候群は、足首を強く底屈(つま先を伸ばす動作)した際に、足関節の後方で骨や軟部組織が挟み込まれて痛みを生じる疾患です。
その代表的な原因が「三角骨障害」です。三角骨とは、かかとの上にある距骨という骨の後方に存在する小さな余剰骨(副骨)の一種で、成人の約10~20%に認められます。
三角骨があっても通常は無症状ですが、スポーツ活動や繰り返しの負荷によって炎症や衝突が生じると痛みの原因となります。
どのような人に多いですか?
サッカーやクラシックバレエのようにつま先を強く伸ばす動作を繰り返すスポーツ選手に多くみられます。
特にジャンプやキック動作を頻繁に行う選手に発症しやすいことが知られています。
主な症状

特徴的なのは、足首を下に伸ばした際に足関節後方に痛みが誘発されることです
診断

診察では、足首を底屈させて症状を再現するテストを行います。また、画像検査として、レントゲン、CT検査、MRI検査などを組み合わせて診断します。
治療
保存療法

多くの場合、まず保存療法を行います。
症状が軽度の場合には保存療法で改善することも少なくありません。
手術療法
保存療法で改善しない場合や、競技復帰を急ぐアスリートでは手術を検討します。
近年では関節鏡を用いた低侵襲手術が主流となっています。小さな傷から内視鏡を挿入し、三角骨や炎症組織を切除することで症状の改善を図ります。
当センターでは足関節鏡視下手術を積極的に行っており、従来の切開手術と比較して傷が小さく、術後の痛みが少なく、早期のリハビリテーションやスポーツ復帰が期待できます。


スポーツ復帰について

スポーツ復帰時期は症状や競技レベルによって異なります。
手術療法を行った場合、多くの症例で術後3週間からジョギングを開始し、4週からダッシュ、ジャンプを開始し、6-8週程度で競技復帰を目指します。サッカー選手の場合は術後10週、バレエダンサーの場合は術後12週での完全復帰を目指します(4週からルルベ、8週からポアント、大ジャンプ)。
当センターではスポーツ整形外科医、理学療法士が連携し、競技特性に応じたリハビリテーションを行いながら、安全な競技復帰をサポートします。
解説:松井 智裕センター長
