症状
- 足の内側、特に土踏まずの少し上に痛みがある
- 内くるぶしの前下方に骨の出っ張りがあり、押すと痛い
- 運動や長時間の歩行で痛みが強くなる
- 靴が骨の出っ張りに当たって痛い
- スポーツをしている成長期の子どもで、足内側の痛みがなかなか改善しない

有痛性外脛骨障害は、足の内側にある「外脛骨(がいけいこつ)」という余分な骨の周囲に痛みが生じる疾患です。
外脛骨はすべての人にあるわけではなく、舟状骨という骨の内側にみられる「副骨」の一つです。
外脛骨があるだけでは病気ではなく、痛みがなければ基本的に治療の必要はありません。

外脛骨には、足のアーチを支える重要な腱である後脛骨筋腱が付着しています。そのため、スポーツなどで繰り返し負担がかかることにより外脛骨周囲に炎症が生じたり、外脛骨と舟状骨の間にストレスが加わったりすることで痛みが生じます。
特にスポーツ活動が活発になる成長期に症状が出ることが多く、扁平足を伴っている場合には外脛骨や後脛骨筋腱に負担がかかりやすくなります。
診断
診察では、足の内側にある骨の出っ張りや圧痛の場所を確認します。また、扁平足の程度や足のアーチ、歩行時の足の動きなども評価します。
レントゲン検査では外脛骨の有無や形態、舟状骨との位置関係を確認します。
症状が強い場合や他の疾患との鑑別が必要な場合にはMRI検査などを行うこともあります。
保存治療
有痛性外脛骨障害の多くは、手術を行わない保存治療から開始します。
痛みが強い時期にはスポーツ活動を一時的に制限し、外脛骨にかかる負担を減らします。症状に応じて消炎鎮痛薬や湿布、足底板(インソール)などを使用します。
扁平足を伴っている場合には、インソールで足のアーチを支えることで、外脛骨や後脛骨筋腱にかかる負担を軽減します。
また、足関節周囲の柔軟性や筋力、足の使い方などを評価し、必要に応じてリハビリテーションを行います。
手術治療
保存治療を十分に行っても痛みが改善せず、スポーツや日常生活に支障が続く場合には、手術治療を検討します
外脛骨摘出、後脛骨筋腱縫合術
痛みの原因となっている外脛骨を摘出し、外脛骨に付着していた後脛骨筋腱を舟状骨に縫合する手術です。
外脛骨を摘出するだけでは、後脛骨筋が緩んでしまうことにより扁平足になる可能性があるため、後脛骨筋腱を舟状骨に縫合します。
術後経過
術後は外脛骨の大きさや後脛骨筋腱の処置、併用した手術などに応じて一定期間のギプス固定を行い、その後段階的にリハビリテーションを開始します。
歩行、ランニング、ジャンプなどへ徐々に運動強度を上げていき、痛みや筋力、足の機能を確認しながらスポーツ復帰を目指します。
スポーツ復帰までの期間は、行った手術や競技種目によって異なります。
当院の特徴
有痛性外脛骨障害は、特にスポーツを行う成長期の選手に多くみられる疾患です。
一方で、「外脛骨がある=痛みの原因」ではありません。 外脛骨を持っていても全く症状がない方も多いため、痛みの場所や外脛骨の状態、後脛骨筋腱、扁平足の程度などを総合的に評価することが重要です。
当院では足・足関節を専門とする整形外科医が診察を行い、レントゲンだけでなくエコー(超音波)なども用いて病態を評価します。
また、スポーツ選手では単に痛みをなくすだけでなく、できるだけ競技活動を継続しながら治療する方法や、安全にスポーツへ復帰する方法についても、患者さんと相談しながら治療方針を決定します。
「足の内側の骨が出っ張って痛い」「運動すると土踏まずの内側が痛くなる」「有痛性外脛骨と言われたが、なかなか治らない」という方は、お気軽にご相談ください。
